コラム

 公開日: 2017-01-29 

シンプル=美 ?

シンプルな住い、シンプルなデザイン等々「シンプル」といった言葉は「美」との関連で語られることが多くあるようです。
スッキリとしてモダンな美しさを指す言葉として一般的に使われているようですが、建築デザインの中では、どのような意味合いを持っているのでしょうか。

まず思い浮かぶのが、近代建築(モダニズム)の 巨匠ミース・ファン・デル・ローエ(Mies van der Rohe 1886-1969)の有名な言葉。

Less is More : 要素が少ない事は(シンプルにすることは)、より豊かであること(豊かな空間)

モダニズム建築デザインを最も象徴的に示す言葉です。

Fannsworth House            Famsworth House 1951 Mies van der Rohe / Wikimedia Cmmonns

続く20世紀の末、ポスト・モダニズムと呼ばれた時代、この命題を、たった一語で意味を逆転させ批判した言葉があります。

Less is Bore : 要素少なくシンプル建築は退屈だ!

アメリカの建築家、ロバート・ヴェンチューリ(Robert Venturi)ポスト・モダニズムの理論的なリーダーです。
その著書「建築の複合と対立」の中で、「建築をとり巻く歴史的、社会的、地域的な多くの要素が複雑にからみあい、ひとつの建築に複合し対立した形で結晶する事で、多くの意味を人に語りかける豊かな建築となる」と主張しています。

つまり、意味合いをもつ形態、象徴的な柱や装飾などを不要な要素を排除し平滑な面へと抽象化の道をたどったモダニズズムの限界を指摘し、良くも悪くも人間をとり巻く建築あるいは都市的環境は、多くの要素が複合・混在する中で成立しているものであって、単純な命題によってコントロールされるようなものではない事を語っているのだと思います。

社会の中の最小の単位となる住宅にあっても、それをとり巻く社会的あるいは物理的な環境要素は多くの矛盾や複合、対立をはらむものであることは申し上げるまでもありません。

住宅の設計にあっても、ただ単純に構成要素を減らす事でスッキリとした空間を造り上げたとしても、それは「住まい」として望ましいものかは疑問であり、多様な意味合いをも包含し得る豊かさのある生活空間こそが望まれるのではないかと考えています。

東城の家_]玄関            東城の家

シンプルな住いと暮し : こちらにも類似の話題がありますよ!

住いの設計工房 竹内建築設計事務所_岡山

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