コラム

2015-12-23

新築住宅の失敗例 資金計画③

今回は、資金計画の面から、住宅を買うのが良いか、賃貸にするのが良いかというテーマに対して考えてみます。

住宅を購入するのが良いのか、賃貸住宅に住み続けるのが良いか、良く比較されるテーマです。買えば、建物の価値はなくなっても、土地は残るとか、賃貸はバリアフリーじゃない、一つ一つの部屋が狭い、天井が低い等、色々と言われていますが、極論は、「お好きな方にしてください」です。様々な要素の違いがある中で各個人の考え方の違いもあり、一つの「正解」を導き出すことは出来ません。

とは言え、私自身は状況にもよりますが、やはり購入されることをお勧めしております。以下に、住宅購入における資金計画も含めた考えをお伝えします。

①住宅ローン控除
賃貸住宅の家賃はいくら払い続けても、その住宅は自分のものにはなりません。当たり前のことです。家を買えば、外壁塗装や固定資産税などの維持費が掛かるようになる。これも当たり前のことで、皆さん良くご存じのことです。でも住宅ローン控除という制度のことは詳しくご存じですか?簡単に言うと年末残高の1%が最大で10年間、自分が支払っている所得税、住民税から還付されるというものです。年末残高が3000万円なら、次の年は最大で30万円の還付が受けられます。但し、最大限受けられる控除額も決まっていますし(時限立法で年によって変わります)、控除を受けられるのは、あくまでもそれだけの税金を払っている場合です。

年収によって、支払う所得税や住民税が変わるのは当たり前ですが、配偶者控除、配偶者特別控除、扶養控除、生命保険料控除、地震保険控除など、家族構成や各個人が支払っている保険料なども控除の対象となるため、一律で満額の控除が受けられるとは限りません。しっかりと資金計画のできる会社であれば、あなた自身がいくらの控除が受けられるのか教えてくれますので、聞いてみてください。「銀行に聞いてみましょう」などという会社や営業マンでは困りものです。

極端なケースでは、支払う金利よりも帰ってくる税金の方が多かったり、そうでなくとも、今の金利であれば、月々2000円程度の金利負担で大きなお金を借りることができるのです。もちろん、最初の10年間という括りはありますが。でも賃貸住宅ではこの制度の適用はありません。

②団体信用生命保険(団信)
次は、団体信用生命保険。あまり聞いたことのない言葉だと思います。住宅ローンを借りた「主たる債務者」が万が一の事故等で死亡した場合、住宅ローンの支払いが無くなるというものです。例えば、ご主人が家を買ってローンを組んだのに、事故等で亡くなってしまったという場合、奥さんや子供さんが代わりにローンを払っていくことは困難ですよね。ですから、そういったケースでは住宅ローンを「ちゃら」にしましょうという仕組みです。銀行の住宅ローンでは必ず入る必要があります。

住宅金融支援機構のフラット35は、加入の必要はありません。入っても入らなくても他の条件が満たされれば借りられます。ただし、団体信用生命保険に加入しないということは、万が一に備えられないということになります。ローンが支払って行けなくなれば、家を売って賃貸に引っ越すことになるかもしれません。売った代金でローンの支払いが終われば良いのですが、残債に売買代金が足りない場合は、家を出たにもかかわらず、ローンだけが残ることになります。フラット35を利用する場合は、気を付けてください。

すこし話が逸れましたが、団体信用生命保険も、賃貸住宅には無い制度です。万が一の場合に住宅ローンが「ちゃら」になったり、最近ではガンと診断されただけでもローンがなくなる「ガン団信」や3大疾病や8大疾病などに対応したものもあります。団信の保険料については、既に金利の中に組み込まれていたり、0.1%の負担増などで加入できるもあります。

また、ご主人と奥さんでローン全体を半分ずつ支払う債務者(支払う人)となった場合は、半額ずつのローンを2つ組むことになるので団信も半分ずつということになったりと、団信の適用もケースバイケースなので、各銀行さんの団信情報についても収集されることをお勧めします。

これまでお分かりのように、団体信用生命保険は、大きな借入れとなる住宅ローンの「リスクヘッジ」なのです。

ただ例えご主人に万が一が無くてもローンを払い終われば、自己所有の家なら年間15万円程度の維持費(修繕費、固定資産税など)で済むところを、賃貸住宅であれば、80歳になっても85歳になっても毎月家賃を払い続けなければならないとことになります。結果的に、家を購入する以上の費用が掛かることの方が多いことに加えて、定年後に賃貸住宅を借りようとしても審査が厳しく、なかなか借りられないケースも多くあります。なんとか、家賃の安いアパートを借りられたとしても、そのアパートに住んでいる方の素行が悪かったりと嫌な思いをしなければならないことも多々あります。やはり無理の無い計画で住宅ローン控除や団体信用生命保険などの仕組みを利用して、支払面でも安心のできる計画を練り、できるだけ早期に住宅購入を検討することは大切だと思います。

この記事を書いたプロ

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